【大長編】不死王の息子 : 閑人書房

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【大長編】不死王の息子

2020年7月25日 

天然死亡フラグな不死身の少年と、巻き込まれ体質な少女の日常系スプラッタコメディ


作品名不死王の息子
作者日向夏
文字数約56万1000字
所要時間約18時間40分
ジャンルスプラッタコメディ(現代FT)
作品リンク小説家になろう
書籍版ヒーロー文庫(※公式ページ)

レビュー

「ちなみに、山田は不死王の息子さんだ。不死身だからといって、むやみに襲い掛からないように」


中学受験を目指す真面目な女子小学生・由紀子のクラスにあるとき転入してきたのは、不死王の息子だという美少年・山田不死男。転校初日から校門前でトレーラーに轢かれ、居合わせた子どもたちにトラウマを植え付けながらけろりと蘇ったスプラッタ少年に、仕方なく着替えの体操着を貸してやった由紀子は、お礼にと不死王宅に招かれるが…。

しっかり者のようでいて結構流されやすく迂闊な女の子と、存在自体が非常識な不死王一家の遭遇から始まる、非日常的な日常劇。
歩く死亡フラグ、やたらめったら死にまくる天然スプラッタ製造機の山田少年と、そんな彼の取り扱いにどんどん熟達していく由紀子ちゃんの、血なまぐさくものほほんとしたコミカルなやり取りがクセになる。

寂しがりやな不死者たちの、呪いと絆の物語。

キャラクターpickup
日高 由紀子ゆきこ
「山田くんは暴力嫌いみたいだけど、私は嫌だから、無抵抗になぶられるの」
「早く起きなさい、この寝坊助」
「ああ、うん。すごいね、すごいすごい」
「あんたは山田なの。山田はこんなことしちゃいけないの」
…近郊農家のおうちで育ったしっかり者の優等生。物欲が強くちゃっかりした性格である反面、色恋事には疎くて純情。なんだかんだで順応力が高く流されやすいので、じわじわ外堀を埋められてることに気づかないうっかりさん。
山田やまだ 不死男ふじお
「抱擁(ハグ)は気持ちいいものなんだよ。ふわふわでぎゅーとなってあったかくてひんやりしててそこに自分がいるって思うんだよ」
「もし、僕がね、違う僕になったらどうする?」
「違うよ、別に変な意味じゃないよ。ちょっと介抱しただけだよ」
「祝福だとか呪いだとかいうけど、本当は同じものなんだよ。呪いなんだよ。自然な流れで寿命を終えるヒトを無理矢理長い生に縛り付ける呪いなんだ。僕たちは、父さんも姉さんも兄さんたちも皆寂しがり屋なんだ。だから、一緒に生きてくれる仲間を作ろうとする。そのための呪いなんだ」
…不死王の息子で不死身の人外。注意力散漫なうえに何もなくとも死亡フラグを引き寄せてしまう不思議体質。悪意や暴力に異常なまでに鈍感で、極端な無抵抗主義のお人好しだったが…。無害な天然系に見えて結構あざとく、隙さえあればセクハラかましてる似非フェミニスト。


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