【中短編】笛愛づる娘と音霊の神霊
2020年7月4日
素朴な人間の娘とうつくしい音霊の化身の和風恋愛譚
作品名 | 笛愛づる娘と音霊の神霊 |
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作者 | 道草家守 |
文字数 | 約4万9000字 |
所要時間 | 約1時間40分 |
ジャンル | 恋愛(和風FT) |
作品リンク | 小説家になろう |
レビュー
“私がその笛を愛でよう、その音を愛そう、そして必ず、―――”
笛の音色に魅せられて、幼い頃から自分で笛をつくっては森で吹いていた笛狂いの娘・笹。ある美しい満月の晩、これまでにつくった笛を父親に処分され、笛づくりを禁じられて泣いていた彼女は、〈声〉を奪われて泣いていた人ならざる美貌の少年と出会う。互いに慰めを見出したふたりは一年後の再会を約束するが、約束の時を迎える前に、娘は故郷を離れて嫁ぐことになってしまい…。
数多の神霊たちをも虜にするうつくしい音を奏でる笛をつくる、素朴で屈託がない人の娘。つらい日々の生活に耐える彼女の周囲で巻き起こる怪異の影に時折見え隠れするのは、かつて満月の夜に出逢った不思議な少年。彼の為と信じて愚直に笛をつくり続ける娘は、住む世界が違うかのひとと、無事に再会することが出来るのか――。
人ならざるものに愛された人の娘と、癒しの霊威を持つ高潔でうつくしい神霊の和風恋愛譚。