【短編】花に嫉妬

神さまみたいな指先を持つ年下男に恋をした、幼稚で苛烈な女の話


作品名花に嫉妬
作者糸(水守糸子)
文字数約5000字
所要時間約10分
ジャンル現代/恋愛
作品リンクカクヨム

レビュー

神様。あたしだって、神様の指先が欲しかった。


いつも完璧なフルメイクで、頭から爪先まで抜かりなく整えた気の強い美人の小鳥は、二十四歳の大学院生。そんな彼女には、同じ大学に通う五歳も年下のカレシがいる。パッションピンクに髪を染めて「お花畑のハルくん」なんてあだ名で呼ばれる、写真部の二年生。遊ぶようにシャッターを切って、小鳥には撮れないうつくしいものを撮る、神様みたいな指先を持つ男だった。

悔しくて愛しくて苦しくて、殺したいくらい憎らしい。
才能に焦がれ、己の凡庸さに苦しむ女。カメラの神様にあいされた年下男に激しく嫉妬しながらどうしようもなく惹かれる女の、唐突に烈しく暴れ狂う衝動と凪の時間。
狂おしいまでの情動と染み入るような愛おしさに激しく心がかき乱される、嵐のような恋愛掌編。


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