【中短編】熱視線
2020年8月8日
不器用な女子大生とマイペースな後輩男子の、視線が交わるまでのお話
作品名 | 熱視線 |
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作者 | 青生翅 |
文字数 | 約4万3000字 |
所要時間 | 約1時間25分 |
ジャンル | 恋愛(現代) |
作品リンク | 小説家になろう |
レビュー
なんでみんな気づかないんだろう――。穴が開くほど、身を焦がすほど。そんな言葉が似合ってしまうこの視線に。
大学三年生の崎本理香は、その視線をいつも意識していた。――同じゼミに所属する一つ下の後輩である木瀬君が向ける、熱視線。
熱を孕んだいくつもの視線。ひそやかに飛び交うそれらが、いつか同じ温度で交わることはあるのだろうか…?
同じゼミの先輩後輩というだけのやや遠い距離感と、視線から強烈に伝わる感情の機微、恋をしたときのちょっと胸が上ずるようなふわふわした感覚や、否応なく心が引きずられる面倒くささが、さらりとした筆致で無理なく自然に描写されていて、すんなりと読みやすい恋愛小説。
周囲に敬遠されがちなことをちょっと気にしている甘え下手な女子大生と、率直でマイペースな後輩男子が、不器用に距離を縮めていくお話。