【中短編】ニセモノだけど恋だった : 閑人書房

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【中短編】ニセモノだけど恋だった

2020年5月19日 
※この作品はネット掲載終了しています。

レンタル彼氏と駆け出し声優の恋と夢を描く、ほろ苦い青春小説


作品名ニセモノだけど恋だった
作者齋藤ゆうこ
文字数約5万9000字
所要時間約2時間
ジャンル恋愛(現代)
作品リンク小説家になろう
書籍版宝島社文庫(※公式ページ)

レビュー

本当のことなんて言えるわけがない。―――カオルは彼氏なんかじゃないし、友達ですらないのだから。


「モデルみたいにカッコイイ」といわれるカオルがここ一カ月のあいだ毎週木曜日にデートしているのは、アパレルショップに勤務しているという小綺麗なOLのエイコ。
踏み込みすぎない適度な距離感を保つ彼女は、レンタル彼氏であるカオルにとって比較的楽な良客だったが、高額なデートサービスを毎週申し込むエイコには、ある目的があった。

カオルに翻弄されてドキドキするエイコの心情が丁寧に描かれていて、つられてドキドキしてしまう。
一所懸命で負けず嫌いで、悔しい思いをしても辛い思いをしても夢に食わせる糧にしようとするエイコ。夢に挫折し、中途半端なまま燻っていたカオルの目を通して描かれるエイコの純情さや一途さが、どうしようもなく眩しくて愛しい。

夢に背を向けた男と、夢に一途に向きあう女の、切なくてほろ苦い青春小説。


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