【大長編】道果ての向こうの光
2020年5月29日
聖女の身代わりを務めることになった少女の魂が、道果ての続きをひたむきに生きる物語
作品名 | 道果ての向こうの光 |
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作者 | 秋月アスカ |
文字数 | 約46万字 |
所要時間 | 約15時間20分 |
ジャンル | 恋愛(異世界FT) |
作品リンク | 小説家になろう Libera |
書籍版 | イーストプレス(※公式ページ) |
レビュー
自分はシェリアスティーナじゃない。すぐに消えてなくなる存在。でも、この想いを誰かが受け止めてくれるならば――きっとこの想いだけは、消えたりしない。
薬草売りを生業とする両親とともに、ごく平凡で幸せな生活を送っていた町娘。あるとき馬車に撥ねられて魂だけの存在となってしまった彼女は、同時刻に自殺をはかった聖女の身体に入って本来の魂が戻るまでのあいだ身代わりを務めるよう、神の意思のもとに命じられる。かくして聖女として王城で生活することになった少女だが、美しく神聖なる聖女様は高慢で残酷で、恐れ忌まれる存在だったらしく…!?
遠からず天に召されると知りながら、与えられた僅かな「続きの生」を生きることになった少女が、残虐な振る舞いを続けてきた聖女の軌跡をたどり、聖女を取り巻く冷え切った世界にあたたかな想いの種を撒いていく。いずれ来る終わりの時を前に、迷いながら怯えながら、それでも自分に残せるものがあると信じて懸命に前を向こうとするそのひたむきさがとても眩しい。
道果ての向こう側にほんの少しだけ続いていた道を、懸命に生きる少女の物語。
キャラクターpickup
ユーナ=ウィスダム
「やっぱり私、絶対無理ですっ! シェリアスティーナになんかなれっこない!」
「私も……頑張らなきゃ。どんなことがあっても、けして諦めないように」
「聖女は職業みたいなものだと、思う。とてもとても大切な職業だけど。でも、それが私自身であるとは、思わない」
「私、『シェリアスティーナ』のこと、未だに何も知らない。だから知りたい。知らなくちゃ」
…聖女シェリアスティーナの身体に入って身代わりを務めることになった町娘。頑固でひたむきで心優しい少女。
アシュート=リュエル=ローテンルキア
「――まさか。またずいぶんと悪質ないたずらを思いつかれたものだ」
「今までのあなたの所業を、全て無に帰せるはずもない。そんなこと、私は絶対許さない。――それだけです」
「あなたには理解できないかもしれませんね。生まれた時から、国のためにあれと言われて育った者の考え方など」
「何故、こんな形であなたはここに現れたのだろう。――何故あなたは、記憶を失くしたシェリアスティーナでなければ、ならなかったのだろう」
…シベリウス王国の第一神聖騎士。聖女シェリアスティーナの婚約者。硬派で生真面目なイケメン。