【短編】夜叉姫と鶴の婿 : 閑人書房

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【短編】夜叉姫と鶴の婿

2020年5月30日 

人間嫌いの少年と苛烈な姫武者の異種婚姻譚


作品名夜叉姫と鶴の婿
作者糸(水守糸子)
文字数約1万1000字
所要時間約20分
ジャンル恋愛(和風FT)
作品リンクカクヨム(※短編集)
小説家になろう(※短編集)

レビュー

「たづはうつくしい。特にわたしにちらともほだされぬところがよい」


やおろずの神が眠れしと呼ばれる銀嶺国の、東を治めるは人間の神代家、西を治めるは鶴とひとの性を持つ月白家。かつて相争っていた二家は、いにしえに結ばれた和平の契りにより、代替わりごとに互いのもとへ嫁もしくは婿という名の人質を送りあう。
今代の神代家の当主・夜叉姫のもとへ月白家から輿入れすることとなったのは、人間嫌いの潔癖な少年だった。

母鶴を遊び半分に射殺されてから人間を憎んでいる半鶴の少年・たづと、温柔な父を追い出し家督を奪い取った剛胆で苛烈な姫武者・夜叉姫。
自分は戦好きで血を好むのだと嘯く勇ましい少女は、すげなく冷淡な態度を崩さないうつくしい年下の夫の潔癖さを愛でながら、穢れなき白の御旗を掲げて戦場を駆け抜ける。

烈しく清冽で、冷たくやさしい、芽吹かなかったものの残滓が切なく心を震わす和風恋愛譚。


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