【大長編】ゴッドチャイルド
2020年5月30日
大陸を救う使命を課された人々の苦悩と戦いを描いた救世神話ファンタジー
作品名 | ゴッドチャイルド |
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作者 | 桂木直 |
文字数 | 約64万字 |
所要時間 | 約21時間20分 |
ジャンル | 救世神話ファンタジー |
作品リンク | カクヨム 小説家になろう |
レビュー
「お救いいただきたいのです――この、滅び行く大陸を」
三日後に結婚するはずだった花嫁が〈地上の女神〉として選ばれ、〈天上の神〉の名のもとに奪い去られた。憎き神からかけがえのない少女を奪い返すため、辺境の農村に生まれ育った少年は剣をとって立ち上がる。
かくして、選ばれし者たちによって紡がれる新たなる神話は、人知れず幕を開けた――。
地上の民をこよなく愛する〈天上の神〉と、神に選ばれた〈地上の女神〉たちによって、魔物の脅威から守られる大陸。
大いなる神の意思のもと大陸に安寧をもたらす、という壮大な使命が物語の帰着点としてありながら、その使命を課された人々はごく当たり前のささやかな幸福をこそ望んでいて、一方的に運命を押し付けられ、重すぎるものを背負わされて、抗ったり苦しんだりする。
与えられた運命に翻弄されながらも、それぞれが大切なものを自ら選びとって生きる姿が、静かな迫力をもって克明に描き出される。
読み応えのある救世神話ファンタジー三部作。