【中長編】王女だけど悪役に目を付けられたのでヒーロー求む。
2020年6月9日
ハイスペックチートな悪役につけ狙われる王女の周囲で巻き起こる陰謀活劇
作品名 | 王女だけど悪役に目を付けられたのでヒーロー求む。 |
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作者 | 北海 |
文字数 | 約13万1000字 |
所要時間 | 約4時間20分 |
ジャンル | 陰謀劇(異世界FT) |
作品リンク | 小説家になろう |
レビュー
「いっそ求人広告でも出してみるかな。―――ヒーロー求む、ってね」
異世界に転生して王女になった〈私〉だけれど、幼い頃に母親が亡くなり継母が男児を産んで以降、徹底的に後ろ盾を遠ざけられて後宮の一角に押し込められ、いまや二十歳の完全なる嫁き遅れ。
異母弟王子は立太子を済ませたばかりだが、どう見ても傀儡まっしぐらの絵に描いたようなぼんくら。
着々と国の実権を掌握しつつある継母の実家の公爵家当主は、王女を自分のもとへ降嫁させんと虎視眈々と目論んでいて、安全地帯の後宮からおちおち外出することも儘ならない――。
物語だったらお姫様を救い出すヒーローが現れて然るべきところだが、近づいてくるのはヒーローどころか、腹に一物も二物もありそうな猛禽系ばかり。宗主国で勃発する帝位争いに叛乱騒動、親世代の数十年に及ぶ妄念の代償と、ただでさえ詰んでる王女を次々に襲う厄介事とピンチの数々。
切実に正義のヒーローの登場を求める、いろんな意味で崖っぷちな王女の明日はどっちだ!?
キャラクターpickup
王女
「続きは明日考える、絶対にだ。だから今日は寝る。もういやだ」
「……外に出たい、なあ」
「私に王位は荷が重すぎますよ」
…シジェス王国の王女。転生者だけど転生チートとか特になかったし、むしろハードモードすぎて泣ける。
メデルゼルク公爵
「我が姫、ご機嫌麗しく」
「私は気が長い方ですが――これほど焦らされた上嫉妬させられては、無粋なことでもしてしまうやもしれませんよ」
「お優しいことだ、過ぎるほどに。心を傾けるべきではない者にばかり心を傾け、冷酷になりきれない。我が姫」
…黒い噂には事欠かないカリスマ的悪役公爵。王女に並みならぬ執着を抱く。ヒーロー不在なのに悪役だけ無駄にハイスペックチートキャラってどういうことなの。