【大長編】緑の雫 ※R-18
2020年7月9日
森の魔女が森を離れて権力闘争の渦中に巻き込まれていく異世界お仕事小説
作品名 | 緑の雫 |
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作者 | あひる |
文字数 | 約49万字 |
所要時間 | 約16時間20分 |
ジャンル | 恋愛(異世界FT) |
作品リンク | ムーンライトノベルズ |
書籍版 | 一迅社メリッサ(※公式ページ) |
レビュー
いつの間に、私はこんなに生きることに前向きになったのだろう――。
かつて日本でエステティシャンをしていたアンナは、〈魔女の器〉を持って異世界に落とされた。人々から注がれる感謝や親愛の想いを〈器〉に溜めこみ、それらを糧に植物に働きかける異能を持つ〈緑の魔女〉――その資質を見込まれて森の魔女に拾われた彼女は、先代が亡くなった後「魔女」としての役目を引き継ぎ、村の人々に薬草を処方する穏やかな生活を送っていたが…。
美容と薬草に関する確かな知識と技術を認められたり、エステティシャンとしての接客経験を活かして、権力者や貴婦人たちの信頼を勝ち得ていく森の魔女。そんな、頑なで自立した性格の裏に脆い心を隠し持った女と、高潔で生真面目な騎士のあいだに芽生えた恋。寄る辺ない魔女が最後に辿りつく場所は――?
植物の癒しを人々に分け与える魔女の仕事と恋を描く、しっとりとして読み応えのある異世界ファンタジー。
キャラクターpickup
アンナ
「ありがとうございます。いつかそちらのセベール様にも、魔女は気に食わないけれども、薬だけは確かだ、と言わせてみせます」
「一応聞きますけど、衣装代は経費ですよね」
「二十日間頑張って私の指導に耐えて、輝きを勝ち取った彼女に、ちょっとでも幸せに近づいてもらいたいんです。なんせ、私のお客様ですから」
…日本でエステティシャンをしていたキャリアウーマン。緑の魔女となって異世界にやって来て二年目。聡明で落ち着いた性格だが、ちょっと頑なで人に心を預けるのが苦手。
エミル・セベール
「……おい、魔女。引き上げてやるから、手を貸せ」
「手間や迷惑など今更考えるな。お前は自分の仕事に集中しろ。だが、こちらの目の届かぬ所で、勝手に殺されるなよ」
「……我が命、我が剣は、サジェレ伯フィリップ様とその民の為に」
…サジェレ伯に仕える騎士。現領主フィリップの乳兄弟で、学友兼近侍として幼い頃からともに育った。高潔で生真面目。魔女とか胡散臭いものは嫌い。