【中長編】見る目なんて、なくていいよ ※R-18 : 閑人書房

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【中長編】見る目なんて、なくていいよ ※R-18

2020年8月20日 
※この作品はネット掲載終了しています。

愛を信じられない女と愛が重い男の、幸福に至るまでの物語


作品名見る目なんて、なくていいよ
作者ぴよこ(春井菜緒)
文字数約13万5000字
所要時間約4時間30分
ジャンル恋愛(現代)
作品リンクムーンライトノベルズ

レビュー

この手はきっと、私の欲しいものを全部くれる――。


外資勤めのエリートでルックスも良く、優しく温厚で何よりも妻を大切にしている――そんな一見完璧な夫だが、中学生のころから十年以上妻をストーカーしていた過去があった。
十八歳の誕生日、木崎紀子を突然フルネームで呼び止めてきた見知らぬ他校の男子。何故か彼女の名前と誕生日を知っていた年下の男の子は、それから毎年誕生日にだけ現れるようになって…!?

恋も愛も消耗品で、ずっと変わらない気持ちなんてものは無い――。恋愛感情というものに対して強い不信感を抱いている甘え下手な女が、ずっと欲しかったものを手に入れるまでのお話。
自分の恋に失望したり、日々のストレスに疲弊したり、どうしようもなく嬉しいだとか愛しいだとか、ただ漠然と幸せだとか。平易な一人称で丁寧に描かれる心情描写がとても自然で、感情が引きずられる。

泣きたいような幸福感が胸に迫って、ふんわりと心が緩んでいくような、あたたかくて愛しい物語。

キャラクターpickup
木崎 紀子
「えぇ…、なにそれバカみたい」
「ホントやめてくれる。気持ち悪いんだけど」
「私も毎日幸せだよ。結婚っていいもんだなぁとか、考えてる自分にびっくりする」
…真面目でしっかり者の長女気質。ストレスに弱く、精神的負荷が体調に出やすい。
荻原 蓮司
「おたっ…お誕生日、おめでとうござります!!」
「大人の、余裕というやつをね…。俺もう紀ちゃんの旦那だし、二十七だし、課長だし」
「もしのりちゃんが俺のこと好きになってくれたら、一生かけて一番大切にする。ずーっとそばにいて、のりちゃんの望みは一番に俺が叶える。よそ見なんて絶対にしない。振られたとしても、俺はのりちゃんをずっと好きなままだよ。十年後も、二十年後も。ずっと」
…「頭のいい馬鹿」と評される愛の重いイケメン。人付き合いがうまく、計算高いところもあるけど、人の心にごく自然に寄り添えるあたたかい人柄。


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