【長編】常夜ノ国ノ天照 : 閑人書房

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【長編】常夜ノ国ノ天照

2020年8月30日 

異世界に引きずり込まれた女子高生とお狐様の子供たちの、絶望と希望の物語


作品名常夜ノ国ノ天照
作者モロクっち(諸口正巳)
文字数約23万4000字
所要時間約7時間50分
ジャンルダークファンタジー(和風FT)
作品リンクカクヨム
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書籍版KADOKAWA(※公式ページ)

レビュー

「ここは〈常夜(トコヨ)ノ国(クニ)〉。ようこそ、四年ぶりの天照(アマテラス)」


学校帰りの電車で寝過ごしてしまった女子高生・火野坂暁が降り立ったのは、人気のない真っ暗な無人駅だった。
読めそうで読めない文字で書かれた、朽ちかけた看板の山。見たこともない赤いススキの原。遠くに見える町明かり。そして――暁を〈天照〉と呼び、突如襲いかかってきた男たち…奇妙な異世界に引きずりこまれてしまった少女を助けたのは、ヒガシ町の住人たちだった。
そこは〈常夜ノ国〉。〈お狐様〉を祀り、ニシ町の住人とヒガシ町の住人が終わりのない戦いを繰り返す、日の昇ることなき狭間の世界――。

ノスタルジックで混沌とした和風レトロな世界観と、じわじわと蝕むように迫りくる絶望の足音、狂気的で暴力的な破壊シーン。背筋を這い上るような不気味さと、ある種のカタルシスをもたらす徹底的な破壊と絶望。
圧倒的な負の引力とコミカルな日常劇の緩急で、物語の世界に引きずりこまれる、鮮烈な和風ホラーファンタジー。

キャラクターpickup
火野坂ひのさか あきら
「笑ってなくても感動してるの。すんごくおいしい、鍋屋!」
「くやしい。ケンカに負けた」
「……また助けられたね。ありがとう、クーパー」
…わけあって隻眼の脳筋女子高生。自分の身は自分で護るために身体を鍛えてきた。ほとんど表情が変わらないけど沸点が低い武闘派。
オースティン・ミニ・クーパーS
「小さいゆうな、俺は『コンパクト』なんや。デカイだけが男ちゃうやろ」
「お。なんや、心配してくれんのか。……ああ、ゆうべもそうやった。お前、優しいなあ」
「暁お前もー、すぐ腕力で解決すんのやめろやあ」
…一九六七年式オースティン・ミニ・クーパーSの付喪神。見た目は四十歳くらいのブロンド外国人だけど、関西弁でしゃべる。
〈良い飴屋〉
「やあ、旦那。お困りかい?」
「復讐をするつもりなら、静かに、落ち着け。まわりをよく見るんだ。それより先にやらなけりゃならないことが、他にあるかもしれないからなあ」
「おれもこの世界は好きじゃあないが、この町に住む連中はみんな好きだ。気のちがったお狐様に代わって、守り神になりたいくらいさ。理由なんかない。そういう性分なんだろうなあ」
…ヒガシ町組合の組合長。飄然として掴みどころのない和服の男。戦闘能力が高い。


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