【短編】グリーンスリーブス
2020年8月4日
同性の友人から告白された男子高校生の、物苦しい青春小説
作品名 | グリーンスリーブス |
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作者 | 葉山郁 |
文字数 | 約1万5000字 |
所要時間 | 約30分 |
ジャンル | 青春(現代) |
作品リンク | 氷の花束(※トップページ) |
レビュー
「受験なんかやめちまえよ。ゲイに未来なんかないんだぜ、いくら高学歴でも出世させてくれないんだってさ」
受験を控えた高校最後の夏休み、補習が終わった後の真っ白な日差しの差し込む教室で、お前が好きだと言われた。それから俺は、あいつに会わないように避け続けている。
ゲイにだけエイズがうつってゲイにだけ神様は助けをくれなくてゲイってだけで裁判かけられて殺されて当然――大昔から人間なんて大して変わっちゃいない。同質のものを好きになるという異質。ただそれだけで、人は人を信じられないほど酷く傷つけられる。
未来のためにと追い立てられるように勉強させられて、なのに未来なんてどこにもないと知っていた。
行き場のない想いに追いつめられて苦しむ少年の悲鳴が鋭く胸を抉る。
同性愛をテーマにした、切なくて痛々しい青春小説。