【中短編】赤い糸、白い羽 : 閑人書房

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【中短編】赤い糸、白い羽

2020年9月11日 

お人好しなOLとちょっとアホなイケメンの、ダブル失恋から始まるラブコメディ


作品名赤い糸、白い羽
作者雨咲はな
文字数約4万字
所要時間約1時間20分
ジャンルラブコメ(現代)
作品リンク小説家になろう

レビュー

いくらでも傷ついたって、いいんだ。――今度こそ、後悔しない恋をしよう。


友人から結婚の報告を受けた日――長い片想いの終わりが確定して落ち込んでいた和佳子は、妙な成り行きからものすごいイケメンと知り合う。しかし、一方的に和佳子を「失恋仲間」に認定し、彼女にフラれたと言ってウーロン茶でくだを巻くイケメンは、ちょっとアホな人だった…。

悪気なく無神経な発言をするところも、押しが強くて躊躇なく他人を巻きこむくせに打たれ弱いところも、何も言わずにちょっとズレた気遣いをしてくるところも、全体的に残念なイケメンの残念っぷりが愛おしい。
異性というには色気がないし、友達というにも疑問符がつく、それでいてごく近い距離の奇妙な交友関係は、果たしてどこに行きつくのか――?

ちょっと臆病で自己完結しがちなところのあるお人よしなOLが、変なイケメンに振り回されながら失恋を乗り越え、前へと進んでいくお話。

・ただでさえヘコんでるときにDQNカップルに絡まれる和佳子さん。これは滅入る…。「キーホルダーをぶらぶら揺らしてやる」のは、地味以前にそもそも「嫌がらせ」に分類されるの? ………なんて平和な人なんだ…。

・流れるような暴言…。相手が先に言ったにしろ、このイケメン、滅茶苦茶顔のこと言う…(笑) 反論できないのをよくご存じで。

・「『黙っててやるから、俺の言うことを聞け』のパターン」………やめて! 私に乱暴する気でしょう! エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!

・前フリの時点でものすごく関わりたくない雰囲気を醸し出してくるイケメン。すでに面倒くささが滲み出ている。

・ウーロン茶しか飲んでないのにどう見ても絡み酒の酔っ払い。なにこのイケメンおもしろい。

・失恋の傷を舐め合う同盟爆誕。………なんて無神経な人なんだ…。

・加納さんのこと「わけわからん」と思いながら、いちいち付き合ってあげてる和佳子さん。いやどう見ても仲いいし楽しそうだよ。

・ふつうに部屋飲みする加納さんと和佳子さん。「この状況は何かおかしくないですか」って、この状況になってから言うんだ(笑)

・気障なこととかは言えないイケメン。シリアスの似合わない人だ…。

・和佳子さんは、なんというか損な性格の人だなぁ。根っから平和主義的というか、人が好いというか、自己完結しすぎというか。この人に足りてないのは、一歩踏み出す勇気とか前向きさとかよりも、まず身勝手さなんじゃないかという気がするよ。

・そしてその善意のせいで、ドアの向こうでめちゃめちゃガーンってなってる加納さん…。この人、いわれのない浮気容疑とかかけられても「えっなんでそんなこと言うん…」ってまずショック受けちゃって咄嗟に弁明できなくて話こじらせたりしてそう。

・和佳子さんが先輩と話して、あ、自分はもう大丈夫なんだなって思うシーン、好き。

・ショック受けるとフラフラになって、飲めないくせに居酒屋に行く習性のあるイケメン…。元カノさんは居酒屋で網張っとくべきだった、イケメンの謎の生態について研究が足りてない。

・「ほんのちょっと人を喜ばせるためだけに、あるみたい」←すき



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