【大長編】リライト・ライト・ラスト・トライ : 閑人書房

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【大長編】リライト・ライト・ラスト・トライ

2020年5月10日 

懸命に運命に抗う少女と少年の、死と生、絶望と希望、切なる願いの物語


作品名リライト・ライト・ラスト・トライ
作者雨咲はな
文字数約91万5000字
所要時間約30時間30分
ジャンル恋愛(異世界FT)
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レビュー

――望むものは、たったひとつ。正しい道を見つけて、掴んでみせる、必ず。…何を代償にしても。


異世界より現れて〈神獣〉に安らぎを与えるといわれる〈神獣の守護人〉。
壁に描かれた絵の扉を潜って現れた異世界人の少女は、まるで決まりきった手順をこなすかのように落ち着き払って、〈神獣の守護人〉という役割を引き受けた。

守護人になった少女・シイナは、ずっとただひとつの望みの為に動いているのだけど、そのことに強い罪悪感を抱いてもいて、必死に感情を隠して強くあろうとするし、すべてを一人で抱えこもうとする。だけど行動を共にするうちに少しずつ見えてくるものもあって、やがて護衛官の少年・トウイは、頑なで痛々しい異世界人の少女を傍で支えたいと強く願うようになっていく。
シイナの絶望と孤独、それでも諦めてしまうことの出来ない願いの痛切さが胸に痛くて、それをもどかしく見守るトウイのまっすぐな想いにすごく救われる思いがする。

心の動きも死生観も運命観も、とても丁寧に描かれている感動作。

キャラクターpickup
椎名しいな 希美のぞみ
「――どうしても守りたいものがあるんです」
「神獣っていうのはですね、――この世でいちばん、けったくそわるい生き物です」
「わたしに、神様は必要ない」
…神獣の守護人。常に無表情で何を考えているか分かりにくいけど、結構口が悪くてやることが豪胆。真顔で人をおちょくるような人の悪いところもある。ずっと一人で秘密を抱え込んでいて、ぜんぜん人を頼ろうとしないわりに護衛官たちに対する信用は絶大。ごくたまに泣いたり笑ったりしたときの破壊力が尋常じゃない。
トウイ・ウル・カディア
「俺は守護人の護衛官です。――守護人に従います」
「俺は一言も、『諦める』なんて言ってないよ」
「……どうしたら、シイナさまは笑ってくれますか」
…神獣を擁する神ノ宮の護衛官。裏表がなく健全で直情的なお人好し。守護人付きの護衛官としては異例の若さで、先輩たちから可愛がられたり遊ばれたりしがち。折れずに真っ直ぐであり続けながらも真剣に自省して変わっていくことができる。辛い展開の中での救いそのもの。


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