【中短編】ワンモア : 閑人書房

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【中短編】ワンモア

2020年5月13日 

傍観者の彼と、とある初恋についてのお話


作品名ワンモア
作者雨咲はな
文字数約3万9000字
所要時間約1時間20分
ジャンル恋愛(現代)
作品リンク小説家になろう

レビュー

もう逃げない。降りない。諦めない。かわさない。――だから、もう一度。


誰に対しても一定の距離を保って広く浅い人付き合いをしてきた高校生・穂積があるとき興味を持ったのは、ひたむきにただひとりの人間だけを見つめる同級生の奈月。しかし奈月が一途に想いを寄せる幼馴染の保は、彼女をあくまでも「妹のような幼馴染」としてしか扱おうとしない。そんな二人を眺めるのが面白くてたまらない穂積だったが…。

斜に構えて傍観者を気取っている穂積が、意外と思い込みが強くてぜんぜん自分のことが見えてないところが面白い。露悪的…というよりも、自分のことを薄っぺらい人間関係しか築けないろくでなしだと思っていて、それ以上の何かが自分の中にあるとは端から思ってもみないようなところがある。

身近にあったものを改めて見つめ直したり、努力して世界を広げたり、少しだけ自分を認めて一歩踏み出せるようになったり。
タイプの違う三人の高校生が、人との関わりを通じてそれぞれに成長していく姿が眩しい青春小説。


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