【長編】明日は廃墟でふたりきり ※R-18
2020年5月12日
無愛想な武闘派ヤクザと強メンタルな黒猫系女子のダークロマンス
作品名 | 明日は廃墟でふたりきり |
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作者 | モロクっち(諸口正巳) |
文字数 | 約16万7000字 |
所要時間 | 約5時間35分 |
ジャンル | ダークロマンス(現代) |
作品リンク | ムーンライトノベルズ |
※グロい描写があります。暴力描写・残酷描写が苦手な方は回避推奨。
レビュー
あれは死。死そのもの。あんなものが、あんなにも美しいものがこの世にあって、しかも、自分にしかみえないなんて!
人殺しの後ろに〈死神〉の姿が見えてしまう女・須川香澄は、ゴシックファッションが好きで廃墟巡りが趣味。あるとき彼女が廃墟で遭遇したのは、見たこともないほど美しく凄絶な異形の〈死神〉を連れたヤクザの男だった。男についた〈死神〉にすっかり心奪われてしまった香澄は、男が襟元につけていた代紋を手掛かりに、もう一度彼に会うべく関東門倉会直参・月島組の事務所を訪ねる――。
人殺しになりたくなかった殺し屋の罅割れた心に、退廃的で不気味な〈死神〉の存在が幻想的な美しさを添えていて、軽妙な筆致で描かれる日常の中にもどこか乾いた物悲しさが付き纏う。二人の間にあるちょっと倒錯的で歪な愛情には非常に危ういものがあって、悲劇的ではないけど心がざわめく印象的な物語。
見た目チンピラの武闘派ヤクザとちょっとクレイジーな黒猫系女子が、互いに執着を深めていく危険なダークロマンス。
キャラクターpickup
須川 香澄
「……最悪だな、わたし」
「あれ。全力でいやがると思ったのに。つまんないの」
「ねぇ、お姫様抱っこして」
…死に魅せられた女。どこまでやったら相手が怒るか試すみたいなちょっかいのかけ方をする猫系女子。〈死神〉に一目惚れしてヤクザの事務所まで乗り込む、なかなかのクレイジーっぷり。
深谷 靖
「おまえでも遠慮することあんのかよ!?」
「でももう、どうにもならねぇよな。ひとり殺しちまったらもう終わりだ」
「おまえはオレだけ見てろ」
…雑魚チンピラみたいな見た目に反して凄腕の殺し屋。名前の漢字が分かりにくいので、だいたいヤスって呼ばれてる。無愛想で、事務所でもいつも一人で隅っこにいるほう。料理上手。
関連作品
*【中長編】ヤクザな退魔…深谷靖と仲の良い黒澤組の霊感ヤクザ・比嘉笙矢が怨霊退治に奔走するコメディ。
*【長編】毎日がメリー・バッド・エンド
…月島組の若頭・市松祠門が、父親の借金のカタにされた女子高生を囲い始めるバイオレンスロマンス。
(読む順番は「ヤクザな退魔」→「毎日がメリー・バッド・エンド」→「明日は廃墟でふたりきり」がおすすめです。)