【短編】なんでも信じるお姫様 : 閑人書房

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【短編】なんでも信じるお姫様

2020年5月10日 

なんでも信じるお姫様と賢い仕立て屋の若者の、真実に至る御伽噺


作品名なんでも信じるお姫様
作者葉山郁
文字数約1万5000字
所要時間約30分
ジャンル童話
作品リンク氷の花束(※トップページ)

レビュー

「あなたの中には一つも真実などなかったのですよ、鏡の中の盲目のお姫様」


たいそう気立てがよくて美しいけれど、人を疑うということを知らず、どんなに馬鹿馬鹿しい突飛なお話でも信じてしまうお姫様。そんなお姫様の将来を心配した王様は、お姫様に「そんなことは嘘だわ」と言わせられたものをお姫様の夫にしようというお触れを出す。
そうして山のような志願者がことごとく失敗した後、のんびりとお城にやって来たのは、ひとりの仕立て屋の若者だった。

自ら知り、考えて導き出した答えこそがその人にとっての真実であるのなら、なんでも信じこんでしまうお姫様の真実とはどこにあるのか? 起こった事象や事実だけが重要なのではない、見えないところにある意図や思いをこそ汲み取らなければ、真実にたどり着くことはできない。
閉ざしていた瞼を開かされたお姫様が、ひどくおびえながらも真実を見つけるために自らの足で歩きだす、清澄であたたかな御伽噺。

(デンマーク民話「なんでも信ずるお姫様」のパスティーシュ童話)


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