【中短編】険悪な二人に２０の指令

真逆のようでそっくりなふたりの貴公子が仲良く喧嘩するハイテンションコメディ

作品名	険悪な二人に２０の指令
作者	葉山郁
文字数	約6万3000字
所要時間	約2時間05分
ジャンル	コメディ（異世界）
作品リンク	氷の花束（※トップページ）

レビュー

「ちゃらちゃら恥ずかしい服を着て日がなうっとり鏡を眺めているだけの骨なしが！」「剣客きどりで剣を振り回してうっとりひたっている剣馬鹿がぁっ！」

文官筋のファルシアータ家と軍人筋のケルニア家。皇国を担う双肩たる宰相と大将軍、それぞれのもとに生まれた一人息子は、互いに挨拶をするだけで憤死しかけるほど仲が悪い。
将来ともに皇帝を支えるべき若者たちが顔をつき合わせ、穏やかな日差しあふれるシスティーナ庭園には今日もまた、不穏な空気が立ち込めはじめる…。

見た目も趣味も才能も目標もまるで正反対でありながら、性格も思考回路も行動パターンも鏡合わせのようにそっくりなふたりの貴公子が、だいたい同じ行動をしてだいたい同じところでキレてだいたい大喧嘩になるお約束の展開と、そんなふたりをお気に入りのオモチャのごとく愛でる幼い皇帝陛下、システィーナ庭園でウフフアハハと戯れる人々など、個性的な面々が送るツッコミ不在のハイテンションコメディ。

お互いのことが嫌いすぎるふたりの若き貴公子が、少年皇帝の治める平和な皇国で、今日も今日とて仲良く喧嘩するおはなし。