【長編】はるあらし : 閑人書房

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【長編】はるあらし

2020年6月6日 

優柔不断でそつのない御曹司が、変わり者のお嬢さんに振り回されつつ、自分の道を進み始めるおはなし


作品名はるあらし
作者雨咲はな
文字数約28万5000字
所要時間約9時間30分
ジャンル恋愛(現代)
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レビュー

「それでも、やっぱり。……彼女が笑うと、おれは本当に幸せな気分になれるんだ」


良家の次男坊・桜庭哲秋が、無理やり連れていかれた見合いの席で出会ったのは、楚々とした美人のお嬢さん。しかしそれは女性に興味がなさそうな次男を案じた母親によって様子見のために用意されたお見合いで、最初から二人を結婚させるつもりなど毛頭ない茶番劇だった。そんな裏事情を明かすとともに彼女が提案してきたのは、お互いの利害のために、暫くのあいだは適度に上手くいってるふりをしましょうというもので…!?

お見合い相手のハルさんは、おっとりした雰囲気にそぐわず毒舌家で、にこやかに悪ノリする子どものような人。言葉遊びで相手を煙に巻きながら、本心も不安も上手に隠してしまう彼女を、そつなく無難に生きてきた御曹司は捕まえることが出来るのか。

一度選んだ道を戻って選び直すことは出来なくても、自分の選択を後悔しないように努力していくことは出来る。
楽しくて、ちょっと切なくて、人生に前向きになれる素敵な恋愛小説。

キャラクターpickup
桜庭 哲秋
「……結婚じゃなくて、断ることを前提とした付き合いを気軽にしろって?」
「ハルさん、悪態をつく時は、もう少し控えめにしたほうがいいと思いますよ」
「可愛いハルさんは、時々ものすごく可愛くないですよね」
「過去のことはもういい。これからのことを話すために、おれはここまで来たんです」
…財閥グループ桜庭家の次男。長男ほどじゃないけど窮屈な生活を強いられ、周囲を適度に満足させるため、流されやすい優柔不断なボンボンとして生きてきた。押しに弱いようで、意外に図太いところもある。
菊里 春音
「ケ・セラ・セラですわ、哲秋さん」
「難癖をつけて言いたいことを言ったら、反撃が来る前にとっとと逃げるのが、喧嘩のセオリーというものでしょう?」
「私も平気です。春音は春の子元気な子ですから」
「――私、ちゃんと笑えていますか、哲秋さん」
…桜庭グループ傘下の子会社である菊里商事の社長令嬢。楚々とした大和撫子風の外見にそぐわず、にこやかに辛辣なことを言う。趣味嗜好は基本的に子どもっぽくて、目の前のことを全力で楽しみ、楽しませようとする可愛いお嬢さん。


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